【TRPG】公式シナリオ「ガシャン!」感想
<<評価>>
- ストーリー :
- 戦闘 :
- 謎解き :
- ロールプレイ:
- 恐怖感 :
- 総評 :
- 感想 :初心者PL・KPでも楽しめるシナリオ。クトゥルフらしさはあまりない方かも。
以下、軽いネタバレも嫌って人はブラウザバック推奨。
『ガシャン!』概要
『ガシャン!』は角川書店が出している『クトゥルフ2015』に収録されている公式シナリオだ(なお、第7版(『新クトゥルフ神話TRPG』)対応版は、公式スマホアプリにて無料で公開されている)。イラスト素材についてもBOOTHにて公開されている。
- シナリオ名:ガシャン!
- 製作者:内山靖二郎氏
- プレイ時間:約4時間(なお、オンラインでプレイしたところ感想戦まで含め6時間かかった)
- 難易度:低
- 概要:古びたビジネスホテルに潜む邪悪な存在の秘密を知ってしまった探索者たちは……。 舞台は現代の日本。季節は盛夏。行方不明となった人物の消息を追って、探索者は古びたビジネスホテルを訪れる。ところが、このホテルには恐ろしい秘密が隠されていた。謎めいた「ガシャン!」という音が響くたび、破滅は徐々に近づいて来る。 (BOOTHより引用)
『ガシャン!』のシナリオについて
『ガシャン!』は概要のとおり、古びたビジネスホテルを探索し、その秘密を暴くのであるが、この秘密は「ホテルに関する秘密(支配人も知る秘密)」と「外部から持ち込まれた秘密(支配人も知らない秘密)」の二つがある。
この二つの秘密を整理するのがなかなか難しい。
また、「ホテルに関する秘密」をすべて理解したとしても、その先に何が待ち受けているのかが想像できず、PLが困惑してしまうこともあった(PC・PLの性格にもよるが実際すぐに支配人を糾弾する、という行動に移るとも限らないだろう。
そういった意味で、『ガシャン!』のシナリオは落ちが見えないものとなっており、ここをどう評価するかは人によるのだと思う(俺は良いと感じたが、参加したPLは秘密を知った後どうすることで物語が進んでいくかわからなかったから行動に移れなかった、と言っていた)
ガシャン!謎仕様
さて、『ガシャン!』の公式シナリオ上、探索者は、探索中に『ガシャン!』という音を何度も聞くことになる。
この『ガシャン!』という音を聞くたびに、探索者は、ホテルの地下にある焼却炉に愛着がわいていき、焼却炉に対する技能判定がプラスされていくのである。
これは焼却炉を壊す際の技能判定にもプラスされる。
…?
愛着が沸くのに壊す技能判定にプラスされるのわけわかんねぇな。
多分、探索を頑張った探索者にはご褒美をあげたいというゲーム的配慮なのだろうが、正直これはよくないと思う。
むしろマイナスされる方がストーリーと技能判定に整合性があり、よかったとすら思う。
私がやったセッションでは、ゲーム的ご褒美とストーリー的整合性の結果、技能判定にプラスもマイナスも加えないことにした。
ゲーム的要素でシナリオが破綻するくらいなら、ストーリー的整合性の下、探索者が不利を被ってもいいと思う。
これはクトゥルフなのだから。
壊れた時間と迫りくる恐怖
上記のような謎仕様はあるものの、探索すればするほど少しづつ謎が解明されていく塩梅のよさはさすがといったところ。
特に最後の焼却炉において、時間の流れが壊れたうえで、怒涛のように恐怖が迫ってくるシーンはキーパーをしていて中々楽しかった。
クライマックス付近でのSAN値チェックとダメージチェックで、思うとおりに事態が進まずに、焦るプレイヤーを見るのはやはりよい。
できれば生き残ってほしいと思いつつも、ぎりぎりまで追い詰めて、PLに判断を迫る。
そういった調整がしやすい点もこのシナリオのよいところかもしれない。
クトゥルフ的恐怖が前面に出ているとは言い難いが、初心者でも比較的楽しみやすいシナリオだと思うので、まだCoCに慣れていないPLにやらせてみるとよいかもしれない。