クトゥルフ

クトゥルフ神話について

おみや

いらすとやにかかれば、偉大なるクトゥルフもこんなに哀れな姿になってしまうのだからおそろしい。さて、俺はクトゥルフ神話TRPGが好きだ。だから、クトゥルフ神話TRPGのユーザー数を増やしたい。「クトゥルフ神話って聞いたことあるけどよくわかんない」「クトゥルフ神話TRPGって結局何なの?」と言う人に向けてざっくりと解説していきたい。神話である以上正統や異端がある。俺に正しさなど求めるな。

クトゥルフ神話について

むかしむかし1920年くらいのアメリカにハワード・フィリップス・ラヴクラフトという作家がおったそうな。

彼は怪奇小説作家じゃった。

彼の作品にはいろんなものがあるんじゃが、一部の作品郡に共通のテーマがあった。それが「宇宙的恐怖(コズミックホラー)」じゃ。 

「外宇宙には人の理解の及ばない存在が跋扈しており、それらがひとたび目覚めれば、人類、地球、あるいはこの世は瞬く間に消滅する」という大きな設定と、「それらの人智を超えた存在(「外なる神」とか、「旧支配者たち」などがこれに当たる)を崇拝し、あるいは、利用する人類のカルトや、人類とは全く異なる奉仕種族たち」という小さな設定が織りなす恐怖。これが「宇宙的恐怖」じゃ。

より本質的には、「絶対的に理解が及ばない存在の気まぐれで生かされているにすぎず、我々人類の目に映るすべては虚像であり虚妄である」という空虚さや絶望感というのが、この恐怖なのかもしれん。

ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが作り上げた世界観を、彼の友人であるオーガスト・ダーレスやロバート・E・ハワード、リン・カーターなどの作家たちが賛同した。こうして、複数の作家の中で、世界観や物語を共有し発展させていった。こうしてできあがった現代の神話が、「クトゥルフ神話」じゃ。

ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるふ・るるいえうがふなぐる・ふたぐん

そうすると、その名を冠している「クトゥルフ」とはなんじゃろうか。

先ほど「外宇宙には人類の理解の及ばない存在が跋扈している」と書いた。

クトゥルフとはまさにその人類の理解の及ばない外宇宙の存在じゃ。

緑色の肥大したゴムのような体、蛸に似た触手の塊のような頭部には6つか8つの目、足には異常に発達したかぎ爪がついており、背中には細長い2枚の翼がある。

クトゥルフとその眷属たちはその外宇宙から3億5000年前に地球に飛来し、当時の地球の支配者である「古のものたち」(Elder Things)と覇権争いをした。

クトゥルフ様とその眷属たちの力は兄弟であり、古のものたちを撤退させ、最終的には和平を結び、クトゥルフ様とその眷属たちは北半球を支配するに至り、石造都市ルルイエを築き上げた。

ところが、5000万年後には、大異変1が起こり、ルルイエは海底に沈み、クトゥルフ様は眠りにつくことになった。

いつかきたる「星辰の正しき刻」まで…

ああ!

ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるふ・るるいえ うがふなぐる・ふたぐん くとぅるふ・ふたぐん!

眠れるクトゥルフ ルルイエの館にて 夢見るままに待ちいたり ああ!眠れるクトゥルフよ!

クトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGは先ほど述べたような世界観をもとに作られたシナリオの登場人物として物語を堪能する遊びだ。

TRPGはテーブルトークロールプレイングゲーム。日本語で訳すとすれば、対話型即興劇遊戯とでもいうのだろうか。

そして、クトゥルフ神話TRPGの特徴は、シナリオの登場人物として演じ探索を行いながら外宇宙の神秘と恐怖を堪能する点にある2

神秘を暴き冒涜的な真実を目の当たりにし、正気を失いながらもがく探索者を演じるのだ。

悪く言えばおままごとだが、それが意外と面白い3

まとめ

とまあざっくりいうとこんな感じだろう。

クトゥルフ神話の最高神が何であるかは議論の余地がある(そして、大抵クトゥルフではないとされている)が、人類が今までに観測した範囲ではクトゥルフという存在が人類にとってもっとも身近である4ことから、この名が冠されているのだと思う。

恐怖を説明するのは思ったよりも難しい。

世界観への興味、未知への探求、超常的存在への信奉、TRPGへの興味

きっかけはなんでもよい。

この記事でほんの少しでもクトゥルフ神話、あるいはクトゥルフ神話TRPGに興味を持ってくれる人がいれば、うれしい限りだ。

  1. *大異変が何かはさまざまな解釈がある。愚かな者はクゥトルフよりも前から地球に存在した超常的存在(旧神)により封印されたなどと戯言を述べるが、むしろアザトースの揺らぎによって星辰(星の位置あるいは宇宙の法則)が乱れたと考える方が説得的だと思う。 ↩︎
  2. *とはいえ、これも人によって整理は異なる。恐怖を重視するのは比較的ラヴクラフト的な考えと言えるかもしれない。 ↩︎
  3. *しばしばTRPGは気持ち悪いと言われるが放っておけばよい。他人の趣味にケチをつけるやつはよほど暇なんだろう。 ↩︎
  4. *ラヴクラフトの代表的な作品への登場回数は多い。『狂気の山脈にて』『インスマスを覆う影』『クトゥルフの呼び声』『ダンウィッチの怪』など ↩︎
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おみや
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28歳の普通のリーマンブロガー。人生の半分をデジタルコンテンツに費やしてきたオタク。TRPG、マダミス、謎解きがマイブーム。解けない謎もいつかは解きたい。そう思って毎日謎解き本とにらめっこしています。
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